笹村直子●ピアノ

 みなさまこんにちは。11月30日の定期演奏会でドビュッシーのピアノ三重奏曲ト長調を演奏させていただく笹村直子です。

 この曲は、クロード・ドビュッシー(1862~1918)がまだ学生だった頃の1880年に作られた、最も初期の作品と言われています。しかし曲が知られるようになるのが1977年、散在していた楽譜をまとめて校訂し出版されたのが1986年と最近のことです。

 ドビュッシーの音楽といえばメロディよりも音色の変化や音の配列で聴かせるといったまるで点描画のようなイメージですが、青春時代に作られたこの曲は、ショパンやチャイコフスキーの楽曲かと思わせるようなロマンティックでちょっと甘くそれでいてストレートな感情の詰まったとても瑞々しく親しみやすい曲です。

●1楽章 ソナタ形式ですが3つの楽器が入れ替わり美しいフレーズをつなげていきます。

●2楽章 弦のピッィカートで始まるコケティッシュで哀愁漂う3部形式です。

●3楽章 のびやかな美しいチェロの響きで始まる緩徐楽章

●終楽章 8分の6拍子の中を疾走する8分音符とテーマが終わりへと突き進んでいきます。

 あまりドビュッシーらしくない作品ですが、それとは関係なく多くの人に親しまれているのはやはりこの曲から溢れ伝わってくる「思い」ではないかと思います。当日少しでも会場にそれらが響けば…と思っています。天満教会でお会いできるのを楽しみにしています。

 

<略歴>

大阪音楽大学付属音楽高等学校、同大学音楽学部首席卒業、同大学大学院修了。

第34回全日本学生音楽コンクール高等学校の部西日本大会入選。

朝日新聞社・飯塚文化連合会主催「第4回新人音楽コンクール」にてピアノ部門大賞・文部大臣奨励賞受賞。

ウィーン国立音楽大学へ派遣され、シュベルトマン教授に師事。

大阪フィルハーモニー交響楽団、吹田市交響楽団との協演の他、朝日新聞社、民音主催のリサイタルなどに出演。

また、97年より毎年「サマーミュージックフェスティバル大阪」に出演。

91、93、95、97、99、02年リサイタル開催。

94年デュオコンサートで大阪文化祭賞奨励賞受賞。

土田晴子、梅本俊和、故中島和彦の各氏に師事。

 

犬伏純子●ピアノ

 

 皆さま、こんにちは。11月30日(土)の第191回定期演奏会でフォーレ作曲ピアノ五重奏曲第1番のピアノパートを弾かせていただきます犬伏純子(Inubushi  Sumiko)です。

モーツァルト室内管弦楽団創立50周年を迎えられた門良一先生、楽団の皆さま、その演奏を聴いて応援してこられた皆さまにお祝い申し上げますとともに、今まで積み重ねてこられた音楽の世界を思い、心より敬意を表します。楽団創立50周年記念のシリーズで演奏させていただきますことを大変光栄に存じます。

 11月30日に演奏いたしますフォーレのピアノ五重奏曲第1番は第2番にくらべて演奏されることが少ない曲ですが、フォーレの室内楽曲の中では重要な作品であると考えています。第1楽章は、ピアノのアルペッジョにのってフォーレらしい美しいテーマで始まります。また、第2楽章は、息の長い旋律などでスケール大きく展開していきます。そして、第3楽章では生き生きとした自然な音楽の流れで全楽章を締めくくります。

 晩秋の午後、響きの良い教会でのコンサートでモーツァルト、ドビュッシーとともにフォーレの作品をお楽しみいただきたいと思います。是非お出かけくださいますようお願いいたします。

 

 

<略歴>

東京藝術大学音楽学部卒業。同大学院ピアノ専攻修了。第24回全日本学生音楽コンクール西日本大会第1位。大学在学中より、NHK-FMなどに出演。土肥みゆき、安川加壽子、アンリエット・ピュイグ=ロジェ他の各氏に師事したほか、フランスの夏季音楽アカデミーにおいて、V.ペルルミュテール氏に師事。日本演奏連盟推薦新人演奏会オーディションに合格し、外山雄三指揮、名古屋フィルと共演。日本演奏連盟より表彰。以後、オーケストラとの協演の他、リサイタル、室内楽や伴奏など幅広く活動している。東京藝術大学、名古屋市立菊里高校音楽科、大阪音楽大学の各非常勤講師を経て、現在、滋賀大学教授。

 

山田富士子●ピアノ

 

 モーツァルト室内管弦楽団のファンのみなさまこんにちは。10月5日の定期演奏会で協演させていただく、山田です。前回の協演が2015年の1月でしたので4年ぶりにご一緒させていただくことになります。

 演目はサン・サーンスのピアノ協奏曲第2番ト短調ですが、サン・サーンスはフランス音楽の中でも特に好きな作曲家です。自分のリサイタルのプログラムにも取り入れたりしていますが、ピアノ ソロ曲は小品が多くコンチェルトを弾く機会をいただいたことをとても嬉しく思っております。

 この楽曲は、若々しいサン・サーンスの思いがあふれる力強い作品です。古典の深い思考に基づいた軽妙、流麗なピアニズムがオルガン的な響きを持つハーモニーに支えられ「オルガニスト、ピアニスト サン・サーンス」ならではのとても魅力的な世界を楽しんでいただけると思います。

 今回の演奏会では、敬愛するサン・サーンスの魅力を少しでもお伝えできればと願っております。

 モーツァルト室内管弦楽団は、指揮者・門先生のもとで楽員のみなさまが本当に音楽を愛し、謙虚に音楽に向き合われていることにいつも心を打たれます。その熱意があってこその「創立50周年」という素晴らしい歴史を讃えたいと思います。

 今回、またご一緒させていただけることを大変幸せに思い、心から楽しみにしております。みなさまといずみホールでお会いできますよう願っております。

 

略歴

 

幼少より井口基成、レオニード・コハンスキー、福井直俊の各氏に師事。東京芸術大学付属高校を経て東京芸術大学に入学、後にフランス政府給費留学生として渡仏。パリ国立高等音楽院に入学、ピアノをヴラド・ぺルルミュテール、マルセル・シアンピ、マルセル・ウークランの各氏に、室内楽をピエール・パスキエ、ジョゼフ・カルヴェの各氏に師事。マリア・カナルス国際ピアノコンクール入賞。日本国内を始め、フランス、イタリア、スペイン、カナダ、中国、マレーシア、タイ、フィリピン等でリサイタル、コンチェルト、室内楽等、積極的な演奏活動を展開し、ラジオやテレビでも放送される。また、日本音楽コンクール、学生音楽コンクール、スペイン・ハエン国際ピアノコンクール、ヴァレンシア・ホセ・イトゥルビ国際ピアノコンクール等の審査員を務める他、イタリア、サンタ・キアーラ夏季国際音楽アカデミー、プラハ・サマー・アカデミーに講師として参加している。

桐朋学園大学ピアノ特命教授。

 

 

辰 玲奈(たつ れな)

●ピアノ

 

 モーツァルト室内楽管弦楽団を愛してやまないみなさまこんにちは。7月4日、西宮の兵庫県芸術文化センターで協演させていただく辰です。

 演目は、みなさまよくごぞんじのサンサーンスの組曲≪動物の謝肉祭≫です。この楽曲を、楽しんで演奏したいと思っています。

 ヴァイオリン、ヴィオラなどの弦楽器やフルート、クラリネットなど管楽器の方たちとの共演がとても楽しみです。今回の協演では、ピアノを私と堀茜さんの2名で弾かせていただきますが、いろいろな楽器との掛け合いを特に楽しんでほしいと願っています。

 モーツアルト室内管弦楽団はあこがれの楽団で、ずっとご一緒させていただきたかった夢が今回実現することになり、本当に楽しみにしています。

 みなさまぜひ当日のご来場をお待ちしています。

 

<経歴>

相愛大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。同大学専攻科修了。徳末悦子、小山るみ、小坂圭太の各氏に師事。奈良フィルハーモニー、沙羅の木オーケストラ、アルカディア管弦楽団、ウィーン・ラズモフスキー弦楽四重奏団と共演。現在、相愛附属音楽教室講師、追手門学院小学校講師。

 

田中 紀子(たなか のりこ)

●ピアノ

 

 みなさまこんにちは。7月4日に、ショパンのピアノ協奏曲1番を室内楽版で演奏する機会をいただきました田中です。ありがとうございます。

 モーツァルト室内管弦楽団の弦楽器の響きに支えられて、ショパンのピアノ音楽の魅力が伝わるように演奏できればと思います。

 室内楽版でどのような響きになるのかとても楽しみにしています。

 この曲は、若きショパンの溌剌としたエネルギーが感じられます。ショパンならではのメロディの美しさ、パッセージの華やかさなど魅力の詰まった名曲です。どうぞお楽しみくださるよう願っております。

 モーツアルト室内管弦楽団は、私が大学生の頃からお名前はよく存じ上げていました。

 今回ご一緒させていただくヴァイオリンの永ノ尾さんは、知人のお嬢様ですし、私の昔の教え子のご子息がチェロを楽団メンバーの方に習われているそうです。

 ですから、この楽団にはとても親しみを感じていますし、楽団との演奏をいまから楽しみにしています。

 当日はみなさまを兵庫県芸術文化センターでお待ちしております。

 

<経歴>

大阪音楽大学大学院修了。

NHK洋楽オーディション合格、NHK-FMに出演。大阪、宝塚、神戸、岡山等でリサイタル開催。また、オーケストラとの共演も多数。その他、ジョイントコンサート、サロンコンサートにも数多く出演。

ピアノデュオや歌曲の伴奏などでも関西を中心に活動を展開している。

現在、大阪音楽大学講師、兵庫県音楽活動推進会議、日本演奏連盟、日本ピアノ教育連盟、神戸音楽家協会,神戸芸術文化会議、各会員。

 

際本雅子●オルガン

 モーツァルト室内管弦楽団を愛するみなさま初めまして。5月18日定期演奏会で、オルガンを弾かせていただく際本です。

 この楽団はたいへん歴史のある楽団で、大ホールで演奏会を開催されているというイメージをもっていましたが、教会でバロック音楽の演奏会もされていることを知り、活動の幅広さを知りました。今回の初共演をとても楽しみにしております。

 出番はヘンデルのオルガン協奏曲 第14番 イ長調と第6番 変ロ長調の2曲です。ヘンデルの美しいメロディーを、オルガンで表情豊かに表現できればと思っております。

 会場の天満教会は、大変音響効果が素晴らしいとお聞きしていますが、ホールでの演奏会とはまたひと味違う教会での音の響きや雰囲気を味わっていただきたいです。

 みなさまと天満教会でお会いできることを楽しみにしております。

 

<経歴>

大阪音楽大学短期大学部ピアノ科及び音楽学部パイプオルガン専攻卒業。

同大学専攻科終了。ピアノを杉本京子氏、オルガンを土橋薫氏に師事。

日本オルガニスト協会、奈良市音楽協会各会員。カトリック大阪カテドラル聖マリア大聖堂オルガニスト。

 

 

池田洋子●ピアノ

 モーツァルト室内管弦楽団のファンのみなさまこんにちは。3月23日の定期演奏会で協演するピアニストの池田です。

 演奏するモーツァルトのピアノ協奏曲第21番(ハ長調K467)は、有名な第23番(イ長調K488)や2曲の短調の第20番(ニ短調K466)と第24番(ハ短調K491)とともに一番油の乗った時期(1785~6年)に作曲されています。

 苦悩・哀しさ・寂しさなど心の深い所に訴えかける第20番から一転して第21番は、それらすべてをはねのけるかのように、明るく技巧的な華やかさが聞く人を元気にしてくれます。特に第2楽章のロマンスは、スウェーデン映画「みじかくも、美しく燃え」に使われた名曲。モーツァルト独特の素朴で美しいメロディがやわらかい第一ヴァイオリンのひびきとピアノで奏でられ、聴衆を超自然の世界に導いてくれます。

 モーツァルトの音楽は明暗が背中合わせで、希望に満ちた元気な曲想のなかにもつねに哀しみや孤独感が秘められているように思います。その美しさは素朴で無垢であり、我々に生きる喜びを与えてくれます。

 協演させていただくモーツァルト室内管弦楽団と指揮者門良一先生とは、すでにモーツァルトのピアノ協奏曲第20番、第23番、第24番、第26番、第27番をご一緒させていただきました。いつもソリストとして暖かく迎えていただき感謝しています。今回も良いモーツァルトの音楽を協演できるようにと期待しています。

 演奏会当日は、音響の素晴らしいいずみホールで午後のひと時をモーツァルトの素晴らしい世界にひたっていただきたくご来場をお待ち申し上げます。

 

<略歴>

第7回学生音楽コンクール高校の部全国第1位文部大臣賞受賞。東くめ・照子・貞一、井口愛子の各氏に師事。東京藝術大学在学中に渡仏し、パリ・エコール・ノルマル音楽院最高クラスに転入学。ジュル・ジャンティ、アルフレッド・コルトーの両氏に師事。日本人として最初のリサンス・ド・コンセール(演奏家資格)を得て卒業。マリア・カナルス国際コンクール第2位(1位なし)、ヴィオッティ国際コンクール金賞等に輝き、パリをはじめ、国内外でのリサイタル活動を展開する。また、大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団の定期演奏会や、東京交響楽団、日本フィル、関西フィル、モーツァルト室内管弦楽団など日本の主要オーケストラと数多くの協演を重ねながら、室内楽活動にも意欲的に取り組んでいる。1990年ザ・シンフォニーホールでの演奏家歴30周年記念リサイタルを開催以来、5年毎に記念リサイタルを開き、いずれも好評を博す。一方1996年以降、ニューヨークで開催されるサミット・ミュージック・フェスティバルや、パリ近郊のムーラン・ダンデで開催されるマスタークラスに招かれ、演奏と指導を行なう他、ポルト国際コンクールをはじめ、国内外のコンクールの審査員も務めている。CDでは、「池田洋子ピアノリサイタル」、全音よりコルトー版によるツェルニー「25のエチュード」op.748(CD付)が出版されている。

1999年川西市民文化賞、2000年兵庫県生活振興功労賞、2005年兵庫県文化賞、2015年瑞宝中綬章。神戸女学院大学名誉教授。大阪音楽大学客員教授。日本ピアノ教育連盟関西支部顧問。日本ショパン協会関西支部、川西市文化スポーツ振興財団理事。川西市民合唱団長。川西音楽家協会会長。NPO法人関西音楽人クラブ副理事長。

 

河野直人●ツィター

 

はじめまして。

この度は、モーツァルト室内管弦楽団第186回定期演奏会にご一緒させていただくことになり非常に嬉しく思っております。

また自分も数年ぶりに大阪で演奏できることも楽しみにしております。

ツィターを使った「ウィーンの森の物語」は最近ではとても機会が少なくなりツィターの音色を多くの方に知っていただく良い機会になればと思っております。

今回の演奏会をお楽しみいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。