第178回定期演奏会/定期サロンコンサート〈クライネ・モーツァルト〉第88回例会

9月30日(土)午後2時 天満教会

 

〈教会音楽シリーズ〉第3回

 ―ヘンデル・オルガン協奏曲全曲演奏―その2

 

ヘンデル オルガン協奏曲 

                        第2番 変ロ長調 作品4-2 

バッハ カンタータ 第159番

                       《見よ、われらエルサレムに上り行かん》よりアリア

バッハ カンタータ 

                       第56番《われ喜びて十字架をになわん》よりアリア

ヘンデル オルガン協奏曲 

                       第3番 ト短調 作品4-3 

バッハ カンタータ 

                      第82番《われは満ち足れり》

 

オルガン:木島美紗子

バリトン:萩原 寛明

コンサートミストレス:林  泉

指揮とお話:門  良一

 

 天満教会というすばらしい会場を得て〈教会音楽シリーズ〉の第3回目を迎えることになりました。今回はソリストとしてオルガンの木島美紗子さんとバリトンの萩原寛明さんにお願いしました。木島さんは2015年の12月、第167回定期演奏会で演奏しましたフォーレのレクイエムでオルガンを担当していただいてご縁ができました。〈教会音楽シリーズ〉で続けております〈ヘンデル・オルガン協奏曲全曲連続演奏〉に対してもご賛同をいただいております。萩原寛明さんは上記のフォーレのレクイエムをはじめミサやオペラでモーツァルト室内管弦楽団と何度も協演しておられるのでおなじみですが、今回はバリトン独唱の名曲として知られるバッハのカンタータ第82番を中心に歌っていただきます。

 おそらく日本で初めての画期的な企画として好評を得ております〈ヘンデル・オルガン協奏曲全曲連続演奏〉、ヘンデルのオルガン協奏曲は足で演奏するペダルを持たない簡易型の、いわゆるポジティブ・オルガンのためのものがほとんどで、演奏の機会はヘンデルの数多いオラトリオの上演の際に作曲者の独奏による幕間用として作られました。ヘンデルは彼自身の他の作品から転用して作曲する場合がしばしばあり、オルガン協奏曲には特にその例が多く見られます。今回は〈全曲連続演奏〉の第2回目として6曲ある作品4のオルガン協奏曲の中から第2番変ロ長調と第3番ト短調を取り上げました。第2番はいかにもヘンデルらしい単純明快な中にも風格のある作品です。第3番はオルガンのほかにヴァイオリンとチェロにも独奏パートが与えられている、合奏協奏曲のスタイルに近いかたちを取っています。比較的に知られていないオルガン協奏曲によってヘンデルの音楽の良さを知っていただくのがこのシリーズの意図であります。

 数多いバッハのカンタータ(200曲以上)の中で、合唱を伴わないソロ・カンタータと呼ばれる一群の作品があります。この中にも名曲がたくさんありますが、今回はバリトン独唱のある3つの有名なカンタータのうち3曲を選び、うち2曲は特に有名なアリアを、1曲は全曲を演奏することにしました。宗教音楽を得意とされる萩原さんの名唱をたっぷりと味わっていただきたいと思います。またこの3曲にはいずれもオーボエのソロが付いており、モーツァルト室内管弦楽団の首席オーボエ奏者、福田 淳さんのソロが楽しめます。どうかご期待ください。

 

 

第177回定期演奏会

7月19日(水)午後2時 いずみホール

 

〈モーツァルトの華麗なる二重協奏曲〉

 

モーツァルト 《バスティアンとバスティエンヌ》によるシンフォニア K.50

モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299 

モーツァルト 2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190

モーツァルト 交響曲 第29番 イ長調 K.201

 

フルート:大江 浩志

ハープ:石井 理子

ヴァイオリン:ギオルギ・バブアゼ、チプリアン・マリネスク

コンサートマスター:釋  伸司

指揮:門  良一

 

 モーツァルト名曲集、今回は〈モーツァルトの華麗なる二重協奏曲〉と題しまして、モーツァルト中期の二つの楽器のための協奏曲を中心にお贈りいたします。最初にそのシンフォニアが演奏されます《バスティアンとバスティエンヌ》はモーツァルトが11、2歳で作曲した彼の3番目のオペラですが、そのシンフォニア(序曲)は一般にはベートーヴェンの《エロイカ交響曲》の第1楽章のテーマとそっくりなメロディが使われているのでよく知られています。原曲の序曲は大変短く、しかもオペラのアリアに続くように終止しない形で終わっているので、私が続くアリアとオペラの終曲とをオーケストラ用にアレンジして3楽章のシンフォニアの形にしました。これまでにもこの形で何回か演奏しています。

 フルートとハープのための協奏曲は、華麗な二つの楽器のための二重協奏曲としてあまりにも有名です。この曲はパリのアマチュアの父娘のために作曲されたものですが、いかにもフランス好みのあでやかな大傑作です。フルートの大江浩志さんはモーツァルト室内管弦楽団とこの曲を何度も演奏しておられます。ハープの石井典子さんもおなじみですが、この曲でははじめての登場です。この二人のさわやかな中にも熱のこもった協演が大いに期待されます。

 二つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネは、モーツァルト18歳の作品ですが、コンチェルトーネとは「大協奏曲」という意味で、複数の楽器のための協奏曲を意味する「協奏交響曲」と類似の概念と思われます。二つのヴァイオリン以外にオーケストラのオーボエやチェロにもソロ的なパッセージが少なからずあるなかなか面白い曲です。モーツァルトが本格的なヴァイオリン協奏曲を書く前にこんなスタイルの作品を書いたことに興味を覚えます。ソリストには2014年の第158回定期演奏会でベートーヴェンの《三重協奏曲》でヴァイオリンのソロを弾かれたギオルギ・バブアゼさんと、その友人のチプリアン・マリネスクさんで、二人ともジョージア(グルジア)出身の名手です。大変興味深い協演です。

 プログラムの最後は中期の傑作、交響曲第29番です。この曲はモーツァルト室内管弦楽団の創立第1回の定期演奏会でも取り上げられた楽団にとっては縁の深い作品で、その後も何回か演奏しています。交響曲としては室内楽的要素の多い独特の音楽でモーツァルトの交響曲の中でも人気の高い名曲です。気持ちを新たに取り組みたいと思っています。

 

第176回定期演奏会  

6月17日 午後2時 いずみホール

 

〈モーツァルトとハイドン〉その11 

ハイドン 交響曲 第83番 ト短調 Hob.I-83 《めんどり》

モーツァルト ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488

モーツァルト ピアノ独奏付きアリア

                   《どうしてあなたを忘れられよう》K.505

モーツァルト 交響曲 第40番 ト短調 K.550

 

ピアノ:松村 英臣

ソプラノ:櫻井 孝子

コンサートマスター:釋  伸司

解説と指揮:門  良一

 

 好評をいただいております〈モーツァルトとハイドン〉シリーズ、今回が11回目となります。モーツァルトとハイドンという同時代に生きた作曲家でありながら互いに深く尊敬し合っていた二人の天才の作品の中から、何らかの意味で関連のある曲を比較演奏するというこのシリーズ、今回はハイドンとモーツァルトの同じト短調の交響曲が中心となるプログラムです。

 交響曲第40番ト短調を含むモーツァルトのいわゆる〈3大交響曲〉の作曲には、その2年前に作られたハイドンの《パリ交響曲》(第82~87番の6曲)が強い影響を与えたと言われております。ハイドンの最初の3曲(第82~84番)の調性がそれぞれハ長調、ト短調、変ホ長調であって、モーツァルトの〈3大交響曲〉の第39番変ホ長調、第40番ト短調、第41番《ジュピター》ハ長調と順序が逆であることを除けば完全に一致しているからです。モーツァルトが交響曲の作曲においてこれほどのことをするからにはハイドンの影響が極めて大きかったのではと想像されます。

 果たしてハイドンはどんな影響をモーツァルトに与えたのか、そもそもモーツァルトはハイドンの真似をしたのか、あるいはそうでないのか、非常に興味深く面白いテーマであります。今回は私が解説して両曲の比較演奏を行うという、他の演奏会ではまず絶対に聴けない企画が実現します。

 今回のプログラムにはモーツァルトの名曲が2曲加わっております。その1曲はよく知られたピアノ協奏曲第23番イ長調です。ピアノ独奏はモーツァルト室内管弦楽団との協演回数が多い名手、松村英臣さんです。どうかご期待下さい。

 残る1曲はソプラノのアリアにおいてピアノが加わるという珍しい形式の作品で、《フィガロの結婚》でスザンナを初演した歌手、ナンシー・ストーレスに与えた「別れの歌」(モーツァルトの彼女に対するラブレター?)と言われている、モーツァルト・ファン必聴の名曲です。モーツァルト室内管弦楽団と何度か協演しているソプラノ歌手、櫻井孝子さんとピアニスト、松村英臣さんの協演にモーツァルト室内管弦楽団がバックを受け持ちます。

 

 

 第175回定期演奏会/定期サロンコンサート〈クライネ・モーツァルト〉第89回例会

 4月8日(土)午後2時 天満教会

〈創立50周年に向けて〉シリーズ 第3回

 

〈モーツァルトの室内楽ディヴェルティメント名曲集〉アンコール 

モーツァルト ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137

ーツァルト 音楽の冗談 へ長調 K.522

モーツァルト ディヴェルティメント 「第17番」 ニ長調 K,334

 

ヴァイオリン:釋  伸司、中川 敦史、ヴィオラ:佐份利祐子

チェロ:日野 俊介、コントラバス:南出 信一

ホルン:佐藤 明美、垣本奈緒子

お話:門  良一

 

 ご好評をいただいております天満教会でのサロンコンサート、この回はちょうど2年前に開催したものと全く同じプログラムで行います。その時の演奏は大変な好評を博したもので、初めてこられた聴衆の方で「今日の演奏は本当にすばらしかった。私、すぐ会員になります。」とおっしゃった人もおられたくらいだったのです。われわれもディヴェルティメント「第17番」というモーツァルトの最高の傑作であるばかりでなく、一般にも広く知られている名曲の記念碑的な名演奏ができた、という思いがあり、ここにアンコール公演を行うことにいたしました。同時に〈創立50周年に向けて〉シリーズ の第3回とします。前回お聴き漏らしになった方はもちろん、お聴きになられた方もぜひお楽しみいただきたいコンサートであります。

 

 

 第174回定期演奏会

2017年1月29日(日)午後2時 いずみホール

〈創立50周年に向けて〉シリーズ 第2回

 

〈ニューイヤーコンサート/モーツァルト名曲集〉

モーツァルト 歌劇《ドン・ジョヴァンニ》K.527 序曲

モーツァルト クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

モーツァルト 交響曲 第39番 変ホ長調 K.543

 

クラリネット:鈴木 豊人

コンサートマスター:釋  伸司

指揮:門  良一

 

 新しい年の最初の演奏会は、モーツァルトのよく知られた作品を集めての〈ニューイヤー・モーツァルト名曲集〉です。《ドン・ジョヴァンニ》の序曲は《フィガロの結婚》や《魔笛》の序曲ほどには演奏会で取り上げられないようです。主人公の地獄落ちを暗示する暗く重々しい序奏がありますが、それに続く主部は全く対照的な明るい音楽で、このオペラが本質的にはオペラ・ブッファであることを示しています。この名序曲に対しモーツァルト室内管弦楽団らしい正統的な演奏を行いたいと考えています。最晩年の大傑作、クラリネット協奏曲はクラリネットに対する空前絶後の名曲であり、モーツァルトのこの楽器への深い理解度と愛情が感じられます。ソリストに関西クラリネット界の第一人者、鈴木豊人さんを迎えての演奏で、協演は1996年以来20年ぶりでもあり、彼の美しい音色に大いに期待していただきたいと思います。交響曲第39番は「3大交響曲」の一つでありながら演奏頻度はそれほど多くないのですが、他の2曲、第40番、第41番《ジュピター》とはまたちがう名曲であるので、われわれの演奏によって感動を味わっていただけるものと思います。なお、この定期演奏会は、モーツァルト室内管弦楽団の〈創立50周年に向けて〉シリーズとして、2016年1月の《魔笛》公演に続く第2回目となります。

 

 

第172回定期演奏会/定期サロンコンサート

〈クライネ・モーツァルト〉第88回例会9月17日 午後2時 天満教会 

 

〈教会音楽シリーズ〉第2回  

ヘンデル 合奏協奏曲 変ロ長調 Op.3-2

―ヘンデル・オルガン協奏曲全曲演奏―その1

ヘンデル オルガン協奏曲 第1番 ト短調 Op.4-1

ヘンデル オルガン協奏曲 第4番 ヘ長調 Op.4-4

バッハ  カンタータ 第4番

     《キリストは死の絆につかせたまえり》BWV4

 

オルガン:片桐 聖子

合唱:モーツァルト記念合唱団(合唱指揮:益子  務)

コンサートマスター:釋  伸司

指揮とお話:門  良一

 

 去年、第1回を開催して大好評をいただいた天満教会における〈教会音楽シリーズ〉の第2回です。今回は前半では第1回で大変好評をいただいたオルガンの演奏を中心としたヘンデル作品、後半はバッハの教会カンタータの中でも名曲として知られるカンタータ第4番、という充実したプログラムとしました。オルガンのソリストには去年協演した片桐聖子さんが再び出演されます。また、今回はモーツァルト室内管弦楽団の姉妹団体であるモーツァルト記念合唱団が天満協会にはじめて登場し、そのすばらしいハーモニーを披露します。さて、ヘンデルは日本ではバッハの陰に隠れてしまい《メサイア》以外の曲は演奏される機会が少ないようですが、この演奏会でのヘンデル作品をお聴きになればそのような先入観はなくなるのではと私は期待しております。合奏協奏曲作品3-2は管楽器のオーボエとファゴットが弦楽合奏に加わり、ヴァイオリンやチェロのソロもあって華やかな協演を繰り広げる名曲です。ヘンデルのオルガン協奏曲は全部で16曲あるのですが、どれもがすばらしい名曲ぞろいなので、この〈教会音楽シリーズ〉の中で全曲を演奏しようという大変意欲的な企画です。バッハのカンタータは全部で200曲以上あるのですが、このシリーズでは有名な作品を順次取り上げていくつもりです。〈教会音楽シリーズ〉の第2回にどうかご期待下さい。 

 

 

第171回定期演奏会 7月30日(土)午後2時 いずみホール

 

〈ベートーヴェン・シリーズ〉第6回

ベートーヴェン 交響曲 第2番 ニ長調 作品36

ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58

ベートーヴェン 交響曲 第8番 ヘ長調 作品93

 

ピアノ:池田 洋子

コンサートマスター:釋  伸司

指揮:門  良一

 

 モーツァルト室内管弦楽団は2011年から満を持して〈ベートーヴェン・シリーズ〉を開始しました。楽団創立の頃を振り返ってみますと、当時はオーケストラというものはプロ・アマを問わずベートーヴェンの交響曲をプログラムの中心に置いて演奏会を行っていたと言えるでしょう。その状況は今でもあまり変わっていないようです。それほどベートーヴェンは昔も今も人気があるわけです。ベートーヴェンの作品はどれもがすばらしくエネルギッシュで力強く、聴くものを鼓舞してくれるのですが、一方ではこれが日本人のガンバリズムと奇妙に波長が合ってしまって、いわば力ずくの演奏になっている感が否めません。われわれモーツァルト室内管弦楽団はそういう演奏傾向とは逆の方向を目指すべく出発し、18世紀の宮廷音楽であるモーツァルトやハイドンを優雅に繊細に演奏することに努力してきました。しかし演奏活動も40年の歴史を積み重ねてきましたので、ここでベートーヴェンをハイドンやモーツァルトの後継者としてあらためて見直そうと考えてシリーズを始めたわけです。冒頭に書きました「満を持して」という言葉にはそういう意味合いがあります。

 〈ベートーヴェン・シリーズ〉においてわれわれは、弦楽器は第1ヴァイオリン7~8、第2ヴァイオリン6、ヴィオラ4、チェロ4、コントラバス3、管楽器は曲によって多少異なりますが(作曲者が指定)、標準的にはいわゆる2管編成(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット各2本にティンパニ1対)という編成を取っており、この弦楽器と管打楽器とのバランスはベートーヴェンの演奏において理想的なものと考えられます。これはまたモーツァルト室内管弦楽団の標準編成とほぼ同じでもあります。要するにわれわれはベートーヴェンを古典派の作曲家として再認識し、ハイドン、モーツァルトにおいて培ってきた演奏様式を基本としてベートーヴェンに向かい、その様式からはみ出すベートーヴェン独特の音楽的迫力をいかにバランスよく表現するか、ということに挑戦してきております。シリーズの前5回まではこの点において成功していると言っていいのではないでしょうか。

 交響曲第2番は、ベートーヴェンの人生がどん底状態にあった時期の作品です。耳の病気が悪化し遺書を書いたことはよく知られていますが、そんな雰囲気を全く感じさせない明るく力強い音楽で、古典様式とベートーヴェンらしさがほどよくバランスしている名曲です。ピアノ協奏曲第4番は有名な第5番《皇帝》と対照づけられて、女性的な協奏曲とみなされていますが、ベートーヴェンらしさに溢れた大曲です。これを、以前にもこの曲でモツ管と協演している大ベテランの池田洋子さんが独奏されますのでご注目ください。交響曲第8番は不思議なことに第2番とともにベートーヴェンの交響曲の中では小さめのかわいらしい曲ということになっていますが、第7番とほとんど並行して作られた非常に規模の大きな交響曲なのです。ベートーヴェンらしさをしっかりと踏まえた演奏をしたいと思っています。

  

 

第170回定期演奏会

2016年6月18日(土)午後2時 いずみホール

 

〈モーツァルトとハイドン〉その10

モーツァルト 交響曲 第31番 ニ長調 K.297 《パリ》

モーツァルト ピアノ協奏曲 第22番 変ホ長調 K.482

ハイドン 交響曲 第104番 ニ長調 Hob.I-104 《ロンドン》

 

ピアノ:内田 朎子

指揮:門  良一

 

 好評の〈モーツァルトとハイドン〉シリーズ、今回は二人の作品の中で18世紀の2大音楽マーケットであったパリとロンドンの名を冠した交響曲が選ばれた。モーツァルトは7歳から10歳にかけて足掛け4年間、パリとロンドンを含む西方への大旅行を行い、各地で神童と言われ大いにもてはやされる。ロンドンにおいて8歳のモーツァルトによる最初の交響曲が生まれ、今日「第1番」と呼ばれている作品を始めとする数曲がモーツァルトの「ロンドン交響曲」と呼ばれることがある。

 後年、21歳から23歳にかけての「マンハイム・パリ旅行」においては昔日の名声を復活させることはできず、失意のうちに帰郷するのだが、その折パリで作曲されたのが今回演奏する《パリ交響曲》である。

 一方のハイドンはモーツァルトとちがい約30年間ハンガリーの片田舎の貴族に仕えていたのだが、52歳の頃に遠くパリから交響曲の注文を受け、6曲からなる《パリ交響曲》(第82~87番)を作曲した。これらはモーツァルトの〈3大交響曲〉にも影響を及ぼした名曲集である。ハイドンは57歳のときロンドンに招かれ、12曲からなる〈ザロモン・セット〉と呼ばれる交響曲集を書いた。ザロモンとは彼をロンドンに招いたヴァイオリニスト兼興行師である。これら12曲をまとめて《ロンドン交響曲》と呼ぶこともある。12曲の最後の今回演奏する曲(第104番)を、通常《ロンドン交響曲》と呼んでいる。

  

 

第169回定期演奏会/定期サロンコンサート〈クライネ・モーツァルト〉第87回例会

2016年4月23日(土)午後2時 天満教会

 

〈フランス音楽特集〉―木管5重奏名曲集―

イベール 3つの小品

ミヨー ルネ王の暖炉

ルーセル ディヴェルティスマン Op.6

フランセ ビヤホールの音楽(別名:恋人たちの時間)

プーランク 6重奏曲

 

 またも〈フランス音楽特集〉とお思いかもしれません。モーツァルトの精神を最もよく受け継いでいるのがフランスの作曲家たちなのです。モーツァルトが愛した木管楽器たちの妙なる響きをフランスの作品で思う存分味わっていただきたいと思います。演奏はモーツァルト室内管弦楽団の首席奏者たちです。後半の3曲にはピアノが加わっています。よく知られた名曲とあまり聴く機会のない珍曲がほどよく混ざった面白いプログラムになっていると思います。

木管楽器とピアノのアンサンブルを天満教会のくつろいだ雰囲気のなかでお楽しみください。

 

 

第168回定期演奏会

〈創立50周年へ向けてシリーズ〉第1回

 2016年1月10日(日)午後3時 いずみホール

 

〈モーツァルト・オペラシリーズ〉第12回

モーツァルト 《魔笛》K.620

 

 2015年はモーツァルト室内管弦楽団の創立45周年ですが、この記念すべき時にどうしても取り上げたかったのが《魔笛》です。モーツァルト最晩年の最高傑作、モーツァルトのエッセンスがいっぱいのこの名曲オペラを最高の演奏でお届けしたいと思います。開催日は2016年の1月なので45周年の翌年になってしまいますが、〈モーツァルト・オペラシリーズ〉はお正月にやってきていますので、ゆったりした気分でお楽しみいただけると思っております。歌手の方々は関西の実力派ぞろいで、その人選はもう何回も協演を重ねて気心が通じ合っている関西オペラ界の重鎮、西垣俊朗さんにお願いいたしました。これ以上はないベストな陣容です。45年の歴史を積み重ねてきたモーツァルト室内管弦楽団によるモーツァルトの最高傑作《魔笛》の記念演奏、どうかお楽しみに。