指揮者:門 良一

 

1939年大阪生まれ。1962年京都大学理学部物理学科卒業、67年同大学院終了。京都大学オーケストラには学部、大学院を通じて10年間在籍し、フルート奏者、指揮者を務め、同オーケストラの発展に多大な貢献をする。また、客演指揮者の故近衛秀麿、故朝比奈隆、故岩城宏之、故若杉 弘、故奥田道昭、秋山和慶各氏等のもとで副指揮者を務め、薫陶を受ける。

70年モーツアルト室内管弦楽団を創立、常任指揮者となり、同楽団を日本有数のプロ室内オーケストラに育て上げた。モーツァルト、ハイドン等の古典派の作品を35人の室内オーケストラで優雅に繊細に演奏する独自のスタイルを確立している。企画力にも優れ、モーツァルトの「予約演奏会の再現」やオペラ≪イドメネオ≫の世界初ノーカット上演などの大きな企画を成功させている。

また、世界的名手との協演も多く、ピアノのマリア・ジョアオ・ピリス、シブリアン・カツァリス、ヴァイオリンのライナー・キュッヒル、ホルンのペーター・ダム等との協演においてはソリストの絶大な信頼を得て大成功を収めている。

近年は古典派だけでなく前期ロマン派やフランス音楽においても、企画、演奏両面で注目すべき成果を上げている。アマチュアの指導にも熱意を持ち、京都産業大学神山交響楽団の音楽監督・常任指揮者を創立時より務めている。

モーツァルト研究者として知られ、1982~2011年NHK大阪文化センター、1992~2011年同神戸文化センターにおいて「モーツァルトを聴く」の講師を務める。京都産業大学名誉教授。